久しぶりの更新です
最近の講義で取り上げた話題。
現在の医療保険の制度だと脳卒中になるとたいてい2ヶ所、人によっては3ヵ所程度の病院で入退院を繰り返しながらリハビリテーションを受けることになる。介護保険サービスへ移行するとさらに複数の施設でリハビリを受けることになり、利用者さんの視点から考えると何人もの理学療法士や作業療法士と出会うことになる。
では、利用者さんから見て最も信頼を寄せられることになるセラピストはどの時期に出会うセラピストなのでしょうか?
そんなのは時期に関係なくセラピスト-利用者関係次第だろうっていう方もいると思いますが、ちょっと違う視点から考えるとこんな考え方もできるのではないかというお話です。
最終的にはもっとも長い期間かかわるセラピスが信頼を得やすいのだと思う。
しかし、現在訪問業務にかかわっている私の立場から見ると、比較的長く入院することになる、回復期のセラピストに信頼を寄せている利用者さんが多いと感じる。
ここからはちょっと偏った私見ですが・・・
回復期ではだいたい3ヶ月前後入院し、医療保険のリハビリではもっとも長くリハビリテーションにかかわる。しかもほぼ毎日リハを受ける。そのうえ、「回復期」の名称どおり利用者さんの状態が最も変化しやすい時期にリハビリを受けることになるから、その変化に対して利用者さんは一喜一憂する。
セラピストの腕前で変化することもあるが、本人さんの自己回復能力により変化する部分も大変大きい。
しかし、利用者さんサイドから見るとリハビリを受けている期間に良くなったのだからそれはセラピストのおかげだと思っている方も多いのである。
だから、この時期に担当してくれたセラピストに信頼を寄せる。その結果、この時期の担当セラピストが指示した自主トレやADL介助方法をずーっと続ける利用者さんは結構いる。
そういった指導がずっと有効な場合もあるが、訪問現場でかかわる私から見ると入院時には有効であっただろう自主トレや介護方法が、退院して期間が経過した現在は有効でない場合もある。時間的な経過とともに利用者さんの状態も変化しているからである。
しかし、信頼を寄せていた回復期時期のセラピストからの指示なので、おいそれと変更したりしない。
だから、回復期にかかわっているセラピストは自分が利用者さんに書ける言葉の重みというものを知っていてほしい。
そういった点、別のブログに記載したように引き継ぐ際に入院時のセラピストが私のことを知っていてくれていると、そういった弊害をのりこえやすい。
入院に比べて訪問は週一回、多くても週2回程度の頻度でのかかわりとなる。1ヶ月続けても週2回の利用者さんでさえ8回しかお会いできない。入院のリハビリだと2週間程度でそれくらいの回数はリハを実施できる。そういった意味では利用者さんや家族さんとの信頼関係を築くのに非常に時間がかかる。
しかし、前述したように信頼してた人の紹介や知り合いなら、最初から好印象を得やすく関係を築きやすいのである。
信頼は引き継がれていくのである。
今あなたが得ている信頼は、次のセラピストへの信頼につながるのです。
「その逆もあるのですけどね・・・」
亭主
私の勤務する病院には約100床の回復期病棟があります。別の階で1週間ほど検査とリハビリをした後に転棟します。ほとんどが在宅ですが、残念ながら施設方針の患者さんがいます。施設方針の患者さんはまた別の階に移ります。私は回復期以外の患者さんの担当をしています。回復期が中心のため回復期以外の病棟のリハ職員数は少なく担当患者は回復期リハ職員の倍です。当然一人の患者さんの単位は少ないです。入院してきたばかりの亜急性期の患者さんと慢性期の患者さんを担当しているという状況です。回復期は退院日まで手厚く多くのリハを受けられますが入院したばかりの亜急性期の患者さんは単位数が少ないです。矛盾を感じ、退院間近の患者さんと亜急性期の患者さんの単位について、主任に改善を求めましたがやはり回復期なんです。回復期以外のリハ職員は疲れています。回復期の患者さんが退院日にもと担当に挨拶してくれるのが心の励みです。回復期の患者さんが安全に在宅生活が送れるよう回復期リハ職員にがんばってほしいと思います。