小さな規模の訪問看護ステーションの合併ってあるのかな?双方の事業所にメリットがあるなら、意外といいんじゃないかなってことを考える機会があったので書いてみた。コラムって感じでもないので、やまだリハビリテーションらぼではなくこちらのブログに書いておこう。

閉鎖の危機にある訪問看護ステーション

そもそも合併のことを考えるきっかけになったのは、非常勤先の訪問看護ステーションの管理者から聞いたこの会話が発端。

「近所にある訪問看護ステーションの看護師が、常勤換算で2.5人未満になりそうで、閉鎖の危機らしい」

非常勤先から自転車で5分のところにあるステーションのことらしい。

この閉鎖の危機にある訪問看護ステーションは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリをメインにした、リハビリテーション職がオーナーの訪問看護ステーションである。

私の非常勤先の管理者と、そのステーションの看護師とは知人みたいで、時おり話を管理者経由で聞いていたのだが、

  • リハビリ職がオーナーなので、看護に力を入れていない
  • 看護師の業務に対するビジョンがない

ってことを言ってたらしいので、実はちょっと危惧していた事業所。その危惧が現実のものとなったって感じかな。

訪問看護ステーションは常勤換算で看護師が2.5人必要。うちの管理者も誤解していたが、看護師だけで2.5人必要なんだ。リハビリ職は含まない。うちの管理者はリハとかも含めて2.5人体制でいいのではないかって誤解していた。

看護師だけで2.5人っていうのは、リハビリメインの訪問看護ステーションでオーナーがリハビリ職っていう場合には結構ハードルが高い。よほど優秀な看護師が管理者を務めていて、なおかつその看護師さんが設立スタッフでいい関係を築けている看護師ならいいんだけど、リハビリ職がステーションを設立して求人などで管理者を雇用しようとしているような場合、定着しないってことも多いようだ。

その閉鎖の危機にあるステーションも、リハビリ職が設立して管理者を求人募集したパターンだ。

だから、いったん看護師との関係がうまくいかなくなると、看護師が退職してしまう。設立スタッフとして一緒に事業所を立ち上げた看護師なら何とか踏ん張って、不足した看護師を何とか集めようってするかもしれない。だけど、求人に応募したら管理者まかせられてしまったっていうような場合だとそこまで力はいらないのじゃあないかなって思う。

オーナーがリハビリ職だと看護師のネットワークもきっと持ってないだろうしねえ。

現在その事業所は、看護師が不足した状態なので求人してこなければ閉鎖を検討している。

閉鎖するくらいなら合併してもいいんじゃない?

閉鎖して他のステーションに利用者さんを振り替えるっていうのは結構大変だ。それに、職員も新しい職場を探さないと生活ができなくなってしまう。いろんな意味でステーションの閉鎖っていうのは大変なんだ。

だったら、近隣のステーションに救済合併とか吸収合併してもらったらいいんじゃあないのかって思う。そんな簡単な話ではないのか?

サテライトとしての合併っていいんじゃない?

事業所の職員や事務所はそのままにして、近隣のステーションの訪問看護ステーションのサテライトとして再スタートするって道はないのか?

ここ数年訪問看護ステーションのサテライト設立に対しては比較的垣根が低くなってきている。

サテライト化すれば、本体とサテライト合わせて2.5人以上の看護師がいればいいので看護師雇用問題は解消される。しかも、今回閉鎖の危機にある訪問看護ステーションはリハビリに力を入れていてリハビリ職が数人いてる。

私の非常勤先にはリハビリ職は非常勤として作業療法士の私がかかわっているだけなので、非常勤先のステーションとしてはリハビリスタッフを増やすことができる。そして閉鎖の危機にあるステーションは、看護師不足問題を解消して現在の利用者をそのまま訪問することができる。

看護メインとリハビリがメインの訪問看護ステーションの合併

看護がメインの訪問看護ステーションっていう表現はおかしいな。もともと訪問看護ステーションは看護がメインだからね。でも、リハビリがメインの訪問看護ステーションにしてみれば、看護師の雇用問題というのはやっぱり厳しい現実があると思う。

だったら、看護師の雇用に困っていない訪問看護ステーションとタッグを組んでサテライト運用を視野に入れてみるというのはイケルんじゃないかなって思う。

でも、訪問看護ステーションで開業したい理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は「開業・起業」したいんだろうな。だからサテライト運用を最初から考えたりしないだろう。

でも、よほど入念に準備して看護師とのネットワークを築かないと、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が訪問看護ステーションを運営するにあたって看護師を2.5人以上雇用し続けるっていうのはやっぱり難しいんだと思う。

ただ雇っていればいいって訳ではないしね。

だったら、いい管理者がいてる訪問看護ステーションと組むってことを検討するの一つの選択肢ではないかな。

リハメインでやっている訪問看護ステーションでも、近隣の看護師さんの情報っていうのはきっと知っていると思う。その中には優秀な看護師が管理者を務めている事業所もあるだろう。そういった事業所といい関係を保つことができれば、その地域の訪問看護・訪問リハビリ事情は改善するはずだ。

大きな視点で見れば、合併してそれぞれのメリットを活かしながら一体経営すればかなりいいんじゃあないかって思うのは、非常勤掛け持ち勤務でいろんなスタイルの訪問看護ステーションに勤務している僕だけが思う事かな?

合併して規模が大きくなったら、機能強化型訪問看護ステーションとして運営できるからさらにメリットも大きくなるんじゃないのかな。