平成26年4月に診療報酬改定が行われましたね。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方も所属されている病院や事業所でいろいろ改定があり大変なことだと思います。でも、この改定の意味をきちんととらえている人ってどれくらいいるのかな?単に診療報酬が変わったってだけではないんですよってことを書いてみた。

平成26年度診療報酬の改定

改定に関する資料などはすべて厚労省のホームページにあります。必要な事だけでも目を通しておくといいかもしれませんね。

リハビリテーションの関係のある部分では

  • 回復期リハビリテーション病棟入院料の見直し
  • 地域包括ケア病棟入院料の新設
  • 認知症患者リハビリテーション料 の新設

等がありますね。このあたりはPT-OT-STnetがうまく資料を掲載されていますのでわかりやすい。

訪問看護ステーション関連では、機能強化型訪問看護ステーションというのが新設されました。それについては姉妹サイトのやまだリハビリテーションらぼにまとめています。

注目すべきポイント

今回の改定では来年の介護保険の改定や高齢化社会を見据えたいくつかのポイントが見て取れます。細かな診療報酬の点数だけに着目するのではなく、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等のリハビリテーション業界がこれから考えていかない重要なポイントが実は平成26年の診療報酬改定には盛り込まれています。そのポイントとは

  • 地域包括ケア
  • 認知症への対応

診療報酬にも盛り込まれたこの「地域包括ケア」と「認知症」、この2点がこれからのリハビリテーション業界で働くなら知っておかないといけない用語。これらは報酬改定だけでなく厚労省では以前から議論されていることなんです。厚労省で議論されているのは

  • 地域包括ケアシステム
  • 認知症初期集中支援チーム

この2つがこれからの高齢化社会を支えていく仕組みとして議論されています。

地域包括ケアシステム概念図

認知症初期集中支援チーム概念図

 

私が理事を務める大阪府作業療法士会でも、「地域包括ケアシステム」「認知症初期集中支援チーム」に関して少しずつ動き出しています。

これからのリハビリテーション

現在病院で働いている理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方も、地域で働いておられる方も

  • 認知症患者さんへの対応と支援
  • 地域での要介護高齢者への対応と支援

この2つへの関わりは避けて通れないと思います。

まだまだ、新人や若手だからこんなことと自分は関係ないって思っておられる理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方も多いと思いますが、これらの議論で交わされているのは目先の1年後や2年後のことではなく、10年後20年後の仕組みのことなんです。

今新人でも、10年後や20年後にはそれぞれの事業所に中心となって働いているはずなんです。だから、今からこの2つについては注目しておかないと、リハビリテーション業界において取り残されることになると思います。