やまだリハビリテーション研究所では主に「考え方」や基礎的な事柄を伝える研修会を開催している。技術系研修会花盛りのリハビリテーション業界において、私が技術系の研修会に対して消極的な理由を書いてみたい。

心技体の「心」を伝えたい

これが研究所主催の研修会のモットーです。ベテランが少なく、若手が非常に多い理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の世界では先輩の背中を見て育つことが難しくなってきました。

ほんとなら、同じ職場の先輩やベテランから学べることを学べなくなってきているのです。

だから、自分のやっている治療に不安を感じている若手のセラピストが安心を求めて技術系研修に参加するのではないかと感じています。

「その治療で大丈夫だ」と誰かが言ってあげれば安心できるのに、後輩をじっくり指導しながら「大丈夫」と言ってくれるベテランの先輩は職場にはいないのでしょうね。

経験を伝える

私の研修会では「経験を言葉にして伝える」のが根本なんです。先輩が後輩へ自分の学んできたことや経験したことを伝えるっていうことを基本としています。

だから、私がお伝えしている研修会の内容については、特殊な技術を身につけなくても実践することのできるテーマばかりを扱っています。

研修会で伝える内容については、どなたでも再現することができる。実践することが可能な事柄ばかりであると自負しています。

伝えられない技術

しかし、技術を言葉にする術を私は持っていない。

自分が体験したこと、感じたこと、考えたことは伝えられる。

私が対象者さんに対してどのようなプロセスを経てその治療を選択しているのかということは言葉にして伝えることができます。

しかし私が手で感じ取った利用者さんの微妙な変化は言葉に出来ない。仮に言葉にできたとしてもおそらく研修会の参加者には理解してもらえないだろうし、その内容を参加者が自分の担当者に対して再現することは不可能だと考えています。

再現性の低い内容を伝えることはしない

自分の治療において再現できないような技術をお金を払ってくれている参加者に伝えることはできません。

私は自分の経験を伝えることで、自分と同程度の力量を持つ理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を育成したいのです。

私は臨床に出てもうすぐ24年目に突入しますが、自分の経験を伝えることで私が24年でたどりついた今の能力を、10年くらいで身につけてもらいたいと思って研修会を開催しています。

技術をお伝えすることはできませんが、セラピストとして身につけておいてほしい考え方や理論はたくさんお伝えすることができます。

やまだリハビリテーション研究所の研修会のご案内とお申し込みは公式ホームページからご覧いただけます。

やまだリハビリテーション研究所公式HP